ケアプロスト

ロジカルシンキング講座

MECEの考え方

MECEとは、ある事柄を”モレなく・ダブりなく”分類することです。しかしモレ・ダブりの前に、言葉のレベル・抽象度を揃える必要があります。

例えば主要肉類をMECEに=鶏肉/豚肉/国産肉に分けた場合、国産肉の言葉のレベル感が異なります。。正確には=鶏肉/豚肉/牛肉であることは多くの方がすぐにわかると思います。

しかし日常の会話・仕事の会話になると、その見極めが難しくなります。以下の上司と部下の会話を読んでみて下さい。

課長:最近我が課の営業成績は、右肩下がりで芳しくない。
しかしAさんは他の社員と違って、コンスタントに成績を上げている。課の成績をよくするためには、Aさんに他の従業員に対して商品知識・セールストーク・アフターケアの仕方を研修してもらうのがよいと思う。
そんなに長い期間はできないから、1週間くらいのプログラムがいいだろう。A君、研修の準備を進めてくれたまえ。

A社員:申し訳ありませんが、そのようなことはできません。確かに課の成績が下降気味であることは知っています。社員は成績を上げるように努力すべきです。
しかし私は普通の平社員ですし、営業職の給与の6割は歩合制です。他の社員に研修するということは、自分の首を苦しめることになります。それに営業職に必要なのは、勘・経験・度胸です。
知識研修なんて、勉強した気になるだけで意味ありません。1週間で営業成績が上がるなら苦労しませんよ。

どうでしょうか?
課の現状に対する、上司と部下の認識は一致しています。また、あるべき姿も一致しています。しかし、2人の会話は一致していません。
なぜでしょうか?

それは言葉のレベル感が、一致していないことが原因です。

レベル感の要素上司部下
視点課の成績・
商品知識・セールストーク・
アフターケアの仕方
個人の成績・
勘・経験・度胸
視座課長平社員
視野1週間長期(1週間以上)

言葉のレベル感は、何によって揃えることができるのか? それは視点・視座・視野の3Sです。
上記表を見ると、なぜ一致しないのかが解ると思います。特に視点がズレていることが原因だと思われます。
上司は営業プロセスをMECEに分け、プロセスの知識が重要であると思っている。一方A社員は人間の本能をMECEに分け、体験や気持ちの在り方が重要であると思っている。
このように同じ目的に対しても、言葉のレベルが異なると会話が成立しなくなってしまう。

以上のことから、
MECE=同一言葉のレベル+モレなし+ダブりなしになります。
そして同一言葉のレベル=視点・視座・視野になります。

広告